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【脂質異常症ってどんな状態?】②「脂質異常症」になったら控えるべき食べ物は?これからの予防や改善策を考えよう

【脂質異常症ってどんな状態?】②「脂質異常症」になったら控えるべき食べ物は?これからの予防や改善策を考えよう

前回に引き続き、テーマは「脂質異常症」です。血中の悪玉コレステロールや中性脂肪が過剰になってしまったり、善玉コレステロールが少なくなったりするこの病気。心筋梗塞や脳梗塞などの大きな病気につながらないうちに今日からできることはなにか、食いしん坊倶楽部メンバーで医師の三浦雅臣さんにうかがいました。

コレステロール対策は「あぶら」がキーワード

から揚げ

脂質異常症の対策として大きなカギを握るのが、食生活です。前回食べ過ぎや飲み過ぎが原因のひとつとお話ししました。油っこいもの、例えばから揚げにポテトフライ、天ぷらのような揚げものを大量に食べたり、毎日食べたりというのは、血液中のLDL(悪玉コレステロール)や中性脂肪を増やす大きな原因となります。
とはいえ、「あぶら」がすべて悪者というわけではありません。脂質の構成要素である脂肪酸の中でも、DHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)といった不飽和脂肪酸には中性脂肪を減らす働きがあります。これらは脂質異常症の治療薬としても使われる成分です。DHAやEPAはあじやいわし、さばなど、青背の魚に多く含まれますから、これらは積極的に取り入れたい食材です。効率的に摂取するには、やはり刺身がおすすめ。あじフライなどもおいしいのですが、衣によって余分な脂質、糖質もとることになるので、量を控えたり、翌日の食事で調整したりするとよいでしょう。
ただし、不飽和脂肪酸は酸化しやすいという特徴があります。抗酸化作用を持つファイトケミカル(「10年後の自分に差をつける!第7の栄養素とは①」)が豊富な野菜を組み合わせてとると安心です。
かつては「卵にはコレステロールが豊富に含まれるから、控えるべき」といわれていました。確かに卵にはコレステロールが含まれていますので、コレステロール値が高いときには過剰摂取は控えたほうがいいでしょう。ただし卵は良質なたんぱく源となるなど、体にとってメリットとなる部分も多くあります。過度に制限するのではなく、上手に取り入れていくことが大切です。

また中性脂肪対策としては、脂質だけでなく、糖質のとり過ぎにも注意が必要です。余分な糖質は中性脂肪に変換されて蓄積します。
糖質というとごはんや麺類を思い浮かべる人が多いかもしれません。もちろんこれらの食べ過ぎも問題ですが、甘いもの、特に見落としがちなのが甘い飲みものです。果汁飲料やスポーツドリンク、砂糖を含んだコーヒーや紅茶飲料など、一見体によさそうなものでも糖質のとり過ぎにつながることがあります。

アルコールは控えめに、遅い時間の食事も避けて

アルコールとのつき合い方も重要です。脂質異常症を指摘されているのであれば、お酒を飲むのは少し控えめにしておくべきかもしれません。中性脂肪が多いタイプの脂質異常症の人は、特に注意しておきましょう。いずれにしても、飲み過ぎれば別のリスクもあります。詳しくは「お酒は本当に体に悪い?楽しく続けるためにはどうすべきか」も参考にしてください。
また、遅い時間の食事もできるだけ避けたい習慣のひとつです。体には体内時計があり、BMAL1(ビーマルワン)などの時計遺伝子の働きによって、夜遅い時間は脂肪をため込みやすい時間帯と考えられていますし、脂質は遅い時間になると吸収されやすくなります。そして体内でのコレステロールの合成は夜に行われることが多いので、その前にコレステロールの材料を揃えてしまうのは控えたほうがよいでしょう。どうしても遅くなってしまったときは、野菜や魚中心の軽めの食事にするなど、工夫が必要です。

家族が脂質異常症の場合のつき合い方

脂質異常症は、遺伝的な要因も大きく関わるとお話ししました。親や兄弟姉妹、親戚に脂質異常症の人がいる場合、自分もなりやすい体質を受け継いでいる可能性が高いわけです。その場合でも、お話ししてきたような食生活の対策は有効です。
よく、「遺伝というものはトランプの最初の手札のようなもの」といわれます。最初のカードがあまりよい手でなくても、その後の戦い方次第で結果は大きく変わります。遺伝だから打つ手はないということではありませんので、自分の体質を理解したうえで、うまくつき合っていけるとよいのではないかなと思います。

ほどよい運動もコレステロール対策に

脂質異常症の改善には、食生活だけでなく適度な運動も欠かせません。前述の通り、運動不足はHDLつまり善玉コレステロールの低下につながりますが、適度な運動を続けると、中性脂肪を分解する酵素が働いて中性脂肪が下がり、血中のHDLを増やすことにつながります。運動はHDLの量だけでなく、抗炎症作用や、余分なコレステロールの回収機能も改善させると考えられています。

とはいえ毎日適度に運動もしながら、食事にも気をつけ続けるのは簡単なことではありません。脂質がよくないといって極端にガマンするのも、ストレスになります。例えばポテトフライを食べる代わりにちょっとした野菜の小鉢にしてみるとか、先週は外食が続いてしまったから、今週は控えめにしようなど、小さな工夫を積み重ねるだけでも違います。おいしいものを楽しみながら、ときどき軌道修正する。そのくらいの気持ちで続けることが、脂質対策を長続きさせるコツだと思います。

教える人

三浦 雅臣先生

三浦 雅臣先生

ジョスリン糖尿病センター リサーチフェロー。2014年東京大学医学部医学科卒業。2021年東京大学大学院医学系研究科博士課程修了・卒業、2023年東京大学医学部附属病院 糖尿病・代謝内科 助教。糖尿病や肥満症を専門に、最近では老化や睡眠、味覚についても探究を深める日々。

編集:出口雅美(maegamiroom) 文:久保木 薫 写真:Shutterstock

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