私の行きつけ~住む町の旨い店案内~
【知りたい、軽井沢エリアの行きつけ②】はやの唐揚げ丼は必食!佐久地方の郷土食を味わえる川魚専門店『ゆうすげ』~アマゾンカカオ・太田哲雄さんの紹介

【知りたい、軽井沢エリアの行きつけ②】はやの唐揚げ丼は必食!佐久地方の郷土食を味わえる川魚専門店『ゆうすげ』~アマゾンカカオ・太田哲雄さんの紹介

その町の住人が長く通う店こそ、愛される名店に違いない。dancyu2026年夏号では、軽井沢で「ラ・カーサ・ディ・テツオ・オオタ」「マードレ」を営み、アマゾンカカオを使った料理やスイーツが大人気の太田哲雄さんに軽井沢エリアのとっておきを案内してもらいました。

最寄り駅はしなの鉄道中軽井沢駅で、軽井沢駅からも車で10分ほど。中山道沿いに立つ「ゆうすげ」はこの界隈では珍しい川魚料理の専門店だ。

外観
創業は1961年。和の趣きを携えた店舗には65年の年輪が刻まれている。創業当時は裏手に大きな池があり、お客が釣った川魚を料理して提供していたそう。
客席
広々とした店内はテーブル20席のほかに、小上がり4卓も。

暖簾をくぐれば、入り口にはいくつもの水槽がズラリ。岩魚などの川魚がひらひら舞い踊り、その一角は水族館さながらだ。
「調理前の姿を見てほしくてつくりました。お子さんが喜んでくれますね」と話すのは三代目店主の荻原良寿さん。

荻原さん
荻原さんは長野県内や京都の割烹で修業を積み、14年前に三代目を継承。鰻料理や夏に入荷する信州産活鮎も名物だ。壁一面の品書きは眺めるだけで一杯飲める。

それらの活け魚は刺身、なめろう、塩焼きと食べ方も選べるが、太田さんのイチ押しは小ぶりでスリムな川魚、はやのから揚げ丼。パリッと揚げたはやに甘辛いタレが絡まり白飯と相性抜群だ。
「僕が生まれた白馬でははやを食べる習慣はなく、長野県内でも食文化が違うことを実感しました」と太田さん。
ちなみに、一品料理のはやのから揚げには塩味もあり、繊細な白身をシンプルに味わえる。これもまたオツな味で、酒のつまみにも絶好だ。

はや
入口の水槽に泳ぐはや。長野県産の養殖もののほか、近くの湯川で釣ってくることもあるとか。
はやのから揚げ丼
はやのから揚げ丼は小鉢や味噌汁などが付き1,400円。背開きにしてじっくり揚げてあり、頭からバリッと頬張れる。
はやのから揚げ
一品料理のはやのから揚げ(塩)850円。サクッと香ばしく、ビールや日本酒のアテにもってこい。レモンをきゅっと搾っても。

太田さんのもう一つのオススメには味噌で煮る鯉こくもある。
「これもまた佐久地方の郷土料理。正月や冠婚葬祭に欠かせないそうで、このあたりのスーパーでは鯉の切り身が普通に並んでいます。特にこの店の鯉こくはふっくらとしておいしいんです」(太田さん)。

佐久鯉の鯉こく定食
佐久鯉の鯉こく定食1,620円。筒切りにした鯉はアラを含めて下煮をしてから、信州味噌の赤味噌で煮込む。オスならクリーミーな白子、メスならプチプチの卵も楽しめ、写真は卵入り。コクのあるふくよかな味わいは日本酒にも合う。

こうした川魚料理のほかに手打ち蕎麦も人気があり、原料の蕎麦の実は裏の畑で自家栽培。地域に根付く食文化を守り継ぐ姿勢に太田さんは熱いエールを送っている。

もり蕎麦
もり蕎麦960円。収穫した蕎麦の実は天日干しした後、石臼で製粉。外二(蕎麦粉10に対してつなぎ2)で打っている。コシがあり、香りも豊かだ。

案内する人

「ラ・カーサ・ディ・テツオ・オオタ」オーナーシェフ 太田哲雄さん

「ラ・カーサ・ディ・テツオ オオタ」オーナーシェフ 太田哲雄さん

長野県白馬村生まれ。イタリア、スペイン、ペルーで通算10年以上の経験を積む。2019年から軽井沢に拠点を構え、レストランのほか食堂兼売店「マードレ」を運営。アマゾンで出合ったカカオの普及にも力を注ぎ、自身でも多彩なスイーツを開発。

店舗情報店舗情報

川魚料理 ゆうすげ
  • 【住所】長野県北佐久郡軽井沢町大字長倉古宿4404-3
  • 【電話番号】0267-45-5378
  • 【営業時間】11:30~13:30(L.O.)17:30~20:00(L.O.)夏季は変動あり
  • 【定休日】水曜 不定休あり
  • 【アクセス】しなの鉄道「中軽井沢駅」より車5分
文:上島寿子 写真:鈴木泰介
上島 寿子

上島 寿子 (文筆家)

東京生まれで、銀座の泰明小学校出身。実家がビフテキ屋だったため、幼少期から食い意地は人一倍。洋酒メーカー、週刊誌の記者を経て、フリーに。dancyuをはじめ雑誌を中心に執筆しています。