
ひと口食べれば、今までの豚肉とは全く別次元の体験が待っています。世界最高峰の遺伝資源を操る「豚博士」こと桑原康氏が、富士の麓で情熱を注ぎ込む極上の豚肉。その濃厚な甘味と、驚くほど軽やかな脂身が生まれる背景には、徹底した個体管理と職人技がありました。
桑原は獣医。世界中の原種ブタを飼育し、世界中のブリーダーや生産者に、精子やブタを供給する「豚博士」であり、品質徹底追求型育種の生産者でもある。日本各地の銘柄豚の多くは、桑原から元となる血統を入手している。日本各地のブタの食肉処理場の枝肉の格付けでも、トップクラスはほぼ桑原のブタの遺伝子だ。感動的にうまい豚肉を食べたいなら、桑原の最高レベルの遺伝資源を食べるのが一番だ。

原種ブタの優良血統を選抜し、持続可能な遺伝資源にすることが桑原のミッション。
全頭の血統と飼育履歴は管理されている。どの血筋がどんな育ち方をして、どんな肉質になるのかを把握しているから、全ての豚のトレーサビリティは完璧になる。富士山の地下水と冷涼な気候と上質な餌は、肉に濃厚な甘味や旨味を加える。脂身さえ個性豊かで融点も低い。貴重な遺伝資源だから大切に育てられる。だから、どのブタも幸せ。幸せなブタは間違いなく旨い!
個性的な原種ブタのDNAをコントロールする桑原のノウハウと情熱が、凄いブタを生み続けている。マイクロ豚も桑原の生物特許だ。


世界でも稀に見る桑原の遺伝資源に、ブタ熱が忍び寄り、感染ブタが出れば、全ての遺伝資源を殺処分しなければならない状況に追い込まれた。やむを得ない状況で、桑原は巨額なリスクを背負い、2ヶ所の疎開施設を建設した。ところが、ブタ熱の感染拡大でブタの移動制限が課され、桑原の種豚販売は激減した上に、新型コロナで桑原の豚肉を仕入れていた飲食店からの注文も激減し、桑原は経営的に苦しい状況となった。さらに、富士宮で発生した豚熱感染で、追加の対策がさらに重荷となっている。一般入手困難な桑原の遺伝資源を食べて応援することは、とても意義のあることだ。

文:萩原章史 写真:八木澤芳彦