
休日のランチにパスタをつくるような手軽さで、ちらし寿司をもっと身近に、もっと楽しく味わおうというこの連載。第14回は「焼きパプリカと海老のちらし寿司」を、マイマイ先生こと料理家の真藤舞衣子さんに教わりました。
本格的な夏の到来を目前にして、気持ちも浮き足立ってきがちな今日この頃。休みの日に友達を家に招いて、昼飲みでもしながら夏の旅行の計画でも立てようか?……なんて時に、夏を先取りした気分になれちゃう料理があれば、バカンスへの妄想も広がるってもの。マイマイ先生、こういう日にうってつけの一皿を教えてください!
「それなら、焼きパプリカと海老を使ったちらし寿司がいいかも! パプリカは黒く焦げるぐらいまで直火で焼くと、甘味が引き出されてトロトロの食感に。そこにボイルした海老、ドライトマトやオリーブの風味や旨味が混ざり合って……。これって南イタリアやスペイン、ギリシャあたりの、いわゆる地中海地域でよく食べられる食材の組み合わせなんですよね。この具材に白ワインビネガーでつくる爽やかな寿司飯がまた合うんです。見た目も華やかで、昼飲みのつまみに最高ですよ!」(真藤さん)
| 赤パプリカ | 2個 |
|---|---|
| むき海老 | 6尾 |
| セミドライトマト | 30g(オイル漬け) |
| グリーンオリーブ | 6、7個(種なし) |
| イタリアンパセリ | 10g(粗みじん切り) |
| 黒胡椒 | 適量 |
| オリーブオイル | 適量 |
| ★ 寿司飯 | |
| A | (*1) |
| ├ 白ワインビネガー | 大さじ1 |
| ├ きび砂糖 | 小さじ1 |
| └ 塩 | 小さじ1(*2) |
*1 Aはよく混ぜておく。
*2 天然塩は小さじ1、食塩は塩味が強いので半分の量から調整するとよい。
水、昆布を入れて1時間ほど吸水させた米を炊く。
深めの大皿や大きめのボウルに炊き上がったご飯を移す。Aをよく混ぜてご飯にまんべんなくかけ、団扇などで軽く扇ぎながらしゃもじで切るようにご飯をほぐしていく。粘りが出てしまうので、混ぜ返さないようにするのがポイント。湯気が落ち着いたら扇ぐのを止める。
*寿司飯についてさらに詳しい解説は、こちらをチェック
パプリカは焼き網にのせ、直火で炙る。表面が黒く焦げてきたらバットに移し、粗熱をとる。冷めたら表面の焦げをむいて一口大に切る。

鍋に湯を沸かして海老を入れる。中火で30秒ほどゆでたら笊に上げて水気をよくきり、一口大に切る。セミドライトマトのオイル漬けは取り出して、粗めに刻んでおく。グリーンオリーブは輪切りにする。
寿司飯を皿に広げて、パプリカ、海老、オリーブを満遍なく置いていく。さらにドライトマトは箸でひとつまみずつ添える。最後にイタリアンパセリを全体に散らし、黒胡椒とオリーブオイルを振りかける。

パプリカの瑞々しい赤色と海老のオレンジ色が、真夏の太陽のように眩い。焼いたパプリカはトロッとした舌触りで、噛めば柔らかな甘さが滲み出る。爽やかな酸っぱさの白ワインビネガーの寿司飯が重なると、なぜかまぐろの赤身のような食べごたえを感じるのが不思議だ。ボイルした海老はぷりんと弾ける旨さがあって、そこにドライトマトのギュッと詰まった酸味と塩味、オリーブのコク、イタリアンパセリの清々しい香りが鮮やかなハーモニーを奏でる。やっぱりこれには、すっきりと白ワインを合わせたくなるな。
「ワインはシャブリやサンセールの上質な酸が合いますよ!」(真藤さん)
青い空の下、海辺のテラスでワイングラスを傾けつつ味わいたい一皿。だけど食べれば、まぎれもなくちらし寿司! 部屋に居ながらにして、地中海の心地よい潮風を感じさせてくれるような「焼きパプリカと海老のちらし寿司」なのでした。


東京生まれ。会社勤務を経て、京都の大徳寺塔頭(たっちゅう)にて1年間生活。フランスに料理留学後、発酵研究家、料理家の活動を開始。雑誌や書籍、料理教室、講演など多方面で活躍。近著に『サバの味噌煮はワインがすすむ』(小泉武夫氏と共著、日経BP)、『つくりおき発酵料理のアレンジごはん』(主婦と生活社)がある。
文:宮内 健 写真:伊藤徹也