
むっちりした鯛の刺身と、程よい酸味のしば漬けが絶妙なコンビネーション! 休日のランチにパスタをつくるような手軽さで、ちらし寿司をもっと身近に、もっと楽しく味わおうというこの連載。第17回は「鯛としば漬けのちらし寿司」を、マイマイ先生こと料理家の真藤舞衣子さんに教わりました。
まだ夏も始まったばかりだというのに、この暑さ……。こんな日には火を使う料理も億劫になってくるもの。たとえば、食材を切るだけで簡単につくれて、だけど爽やかな味わいの料理でバテ気味な心と身体をスッキリとリセットしたい。マイマイ先生、そんな願いを叶えてくれる一皿ってありませんか?
「それなら、鯛の刺身を使ったクイックちらしを作ってみませんか? 鯛に合わせるのはしば漬け。程よい塩味と酸っぱさが、鯛の上品な旨味に合うんです。そこにせん切りにした大葉も添えれば、さらに爽やか。鯛の刺身は切り分けられたものを使っても十分に美味しいけれど、柵で買ってきたものに軽く塩を振ってしばらく置けば、食感もよくなり旨味も凝縮されます。このひと手間で、美味しさがグンとアップしますよ!」(真藤さん)
| 真鯛 | 1柵(刺身用) |
|---|---|
| しば漬け | 70g |
| 大葉 | 5枚 |
| 炒り胡麻 | 少々 |
| 塩 | 少々 |
| ★ 寿司飯 | |
| ・ 米 | 1合 |
| ・ 昆布 | 5g(乾燥) |
| ・ 水 | 180ml(米と同量が目安) |
| ・ 寿司酢 | 大さじ1.5(*) |
*市販の調味済み寿司酢を使用。真藤さんは甘さ控えめの飯尾醸造「富士手巻き寿司酢」を使っている。
水、昆布を入れて1時間ほど吸水させた米を炊く。
深めの大皿や大きめのボウルに炊き上がったご飯を移す。寿司酢をよく混ぜてご飯にまんべんなくかけ、団扇などで軽く扇ぎながらしゃもじで切るようにご飯をほぐしていく。粘りが出てしまうので、混ぜ返さないようにするのがポイント。湯気が落ち着いたら扇ぐのを止める。
*寿司飯についてさらに詳しい解説は、こちらをチェック
鯛に軽く塩を振り10~15分ほど置く。表面に出てきた水分をサッと流水で洗い、キッチンペーパーで水気をしっかりとってそぎ切りにしておく。
しば漬けをみじん切りに、大葉はせん切りにする。
皿に寿司飯を広げ、鯛をのせる。この時、身を丸めるように置くと立体感が出て、見栄えも美しくなる。鯛の身の隙間を埋めるように、しば漬けと大葉を少量ずつ置いていく。せん切りにした大葉は箸でふわっとほぐしてから小分けにしておくと、エアリーで綺麗に盛りつけられる。仕上げに炒り胡麻を指でひねりながら散らしかける。



鯛の淡いピンク色としば漬けの赤紫色、そして大葉の緑色が目に鮮やか。塩締めした鯛の身はムッチリとした食感で、噛むほどに上品な旨味が広がる。そこにしば漬けのコリっとした歯ごたえと柔らかな酸っぱさ、大葉の香りが重なっていく。それらが、ほのかな甘味と酸味のある寿司飯と合わさって、なんだか食べ進めるごとに清々しい気分になっていくような旨さなのだ。醤油などで味つけをしなくても、しば漬けと寿司飯の程よい塩味で十分。このすっきりした味わいのちらし寿司には、果実味のあるロゼワインあたりを合わせたくなる。
どれもスーパーで買えるものだし、思いきり「和」な食材と調理法なのだけれど、盛り付けにちょっと工夫をするだけでこんなにも華やかなご馳走になる。うだるような暑さをひと時でも忘れさせてくれる、気分爽快なクイックちらしなのでした。


東京生まれ。会社勤務を経て、京都の大徳寺塔頭(たっちゅう)にて1年間生活。フランスに料理留学後、発酵研究家、料理家の活動を開始。雑誌や書籍、料理教室、講演など多方面で活躍。近著に『サバの味噌煮はワインがすすむ』(小泉武夫氏と共著、日経BP)、『つくりおき発酵料理のアレンジごはん』(主婦と生活社)がある。
文:宮内 健 写真:伊藤徹也