日曜は、ちらし寿司をつくる。
【いんげん豆、ミニトマト、卵が色鮮やか】南仏の郷土料理をイメージした「ニース風サラダちらし寿司」は、夏のホームパーティーに最適な一皿

【いんげん豆、ミニトマト、卵が色鮮やか】南仏の郷土料理をイメージした「ニース風サラダちらし寿司」は、夏のホームパーティーに最適な一皿

南仏プロヴァンス地方の名物料理をイメージしたちらし寿司は、大人も子供も楽しめる爽やかでやさしい美味しさ! 休日のランチにパスタをつくるような手軽さで、ちらし寿司をもっと身近に、もっと楽しく味わおうというこの連載。第18回は「ニース風サラダちらし寿司」を、マイマイ先生こと料理家の真藤舞衣子さんに教わりました。

夏休みシーズンに突入して、子供を連れて友達が遊びに来たり、親戚が集まったりと大勢で食卓を囲む機会も増えてくる。そんな時にちらし寿司をつくっておくと、大皿でどーんと出せるし、みんなが好き勝手に食べられるから便利なんですよね。マイマイ先生、ホームパーティーで楽しめて、爽やかに夏を感じられるようなちらし寿司ってありますか?

「大人も子供も楽しく食べられて、夏っぽいちらし寿司ねぇ……。それじゃあ『ニース風サラダちらし寿司』をつくってみましょう!」

ちらし寿司なのに「ニース風」? ちょっと名前だけでは想像つかないですが。どんな料理なんですか?

「南仏プロヴァンス地方のリゾート地・ニース発祥の郷土料理に『サラダ・ニソワーズ』(ニース風サラダ)というメニューがあります。トマトやアンチョビ、ゆで卵、ツナ、ブラックオリーブ、そしていんげん豆などの夏野菜を使うこのサラダを、ちらし寿司にアレンジしてみました。白ワインビネガーの寿司飯と合わせて、さっぱりと食べられますよ!」


なるほど~。ツナとゆで卵は子供も大好きだし、ほかの具も身近な食材ばかりだから世代を問わず楽しめるちらし寿司になりそう! さっそくつくってみましょう。

今回使用する主な食材
今回使用する主な食材。左上から時計回りにうずらゆで卵、ツナ、イタリアンパセリ、パルメザンチーズ、ミニトマト、ブラックオリーブ、紫玉ねぎ。サラダ・ニソワーズは、もともとフランスでも夏につくられることが多いのだそう。

「ニース風サラダちらし寿司」のつくり方

材料材料 (4~5人分)

いんげん豆10本
ミニトマト10個
紫玉ねぎ10g(みじん切り)
イタリアンパセリ10g(粗みじん切り)
うずらゆで卵6個(市販のもの)
ツナ缶2缶(140g)(ノンオイルタイプ、フレーク)
ブラックオリーブ6個(種なし)
アンチョビ2切れ(オイル漬け、フィレ)
パルメザンチーズ10g
少々
黒胡椒少々
オリーブオイル少々
★ 寿司飯
・ 米2合
・ 昆布10g
・ 水360ml(米と同量が目安)
A (*1)
 ├ 白ワインビネガー大さじ2
 ├ きび砂糖小さじ2
 └ 塩小さじ2(*2)

*1 Aはよく混ぜておく。
*2 天然塩は小さじ2、食塩は塩味が強いので半分の量から調整するとよい。

1寿司飯をつくる

水、昆布を入れて1時間ほど吸水させた米を炊く。

深めの大皿や大きめのボウルに炊き上がったご飯を移す。Aをよく混ぜてご飯にまんべんなくかけ、団扇などで軽く扇ぎながらしゃもじで切るようにご飯をほぐしていく。粘りが出てしまうので、混ぜ返さないようにするのがポイント。湯気が落ち着いたら扇ぐのを止める。

*寿司飯についてさらに詳しい解説は、こちらをチェック

2材料の下ごしらえをする

ヘタと筋を取り除いたいんげん豆は、沸騰した湯に塩小さじ1程度を加えて(いずれも分量外)3分ほどゆでる。ざるに上げて冷水に移し、粗熱がとれたらキッチンペーパーで水気を拭き、一口大に切る。

ミニトマト、うずらゆで卵は半分に切り、オリーブは輪切りにする(ちなみにミニトマトは縦ではなく横に切ると見栄えがよくなる)。ツナは水気を切り塩と胡椒をひとつまみずつ加えてサッと和える。パルメザンチーズは薄切りに、アンチョビは小さめに刻む。

3皿に盛りつけて仕上げる

寿司飯を皿に広げて、ミニトマトを満遍なくのせる。ツナはひとつまみずつ置く。全体の色のバランスを見ながら、いんげん豆、うずら卵、オリーブをのせていく。さらに空いているスペースを埋めるように紫玉ねぎ、アンチョビを少量ずつのせ、パルメザンチーズを立てるように置いていく。最後にイタリアンパセリと残った紫玉ねぎを全体に散らして、仕上げに黒胡椒とオリーブオイルを振りかける。

皿に盛りつけて仕上げる
皿に盛りつけて仕上げる

トマトの赤、ゆで卵の白と黄、いんげん豆やパセリの緑……複数の色彩が混ざり合い、皿の上はまるで万華鏡を覗いたかのような美しさ。そんなカラフルな見た目と同じく、トマトの酸味、いんげん豆のほっくりとした青み、玉ねぎやパセリの爽やかさ、ツナのさっぱりとした旨味、卵とチーズのまろやかさ、オリーブのコク、アンチョビの塩味……と、色とりどりな味覚が舌の上できらめく。そして箸を口に運ぶごとに、味わいのモザイク模様は変化していくのだ。

多彩な食材をまとめ上げるのが、白ワインビネガーの寿司飯の柔らかな甘味と酸味。ご飯の旨さが加わることで、料理全体に人懐っこい親しみやすさが生まれるのが面白い。このちらし寿司に酒を合わせるなら、プロヴァンスを思い出させるような辛口のロゼや、レモンに通じるフレッシュ感のあるすっきりとした白ワインがお薦め。ドライなスパークリングワインも好相性だ。

食材だけ見ればサラダ・ニソワーズのそれだけれど、寿司飯の上にさまざまな具が散らされて、色鮮やかな味わいを織りなしている。そういう意味でこれは、純然たるちらし寿司。いんげん豆を塩ゆでする以外は材料を切ってのせるだけなので、実はつくるのも簡単。「ニース風サラダちらし寿司」を、夏のちらし寿司の新たな定番として大推薦します!

小皿に取り分けても可愛いちらし寿司です。

教える人

真藤舞衣子 発酵研究・料理家

真藤舞衣子 発酵研究・料理家

東京生まれ。会社勤務を経て、京都の大徳寺塔頭(たっちゅう)にて1年間生活。フランスに料理留学後、発酵研究家、料理家の活動を開始。雑誌や書籍、料理教室、講演など多方面で活躍。近著に『サバの味噌煮はワインがすすむ』(小泉武夫氏と共著、日経BP)、『つくりおき発酵料理のアレンジごはん』(主婦と生活社)がある。

文:宮内 健 写真:伊藤徹也

宮内 健

宮内 健 (編集者、ライター)

1971年、東京生まれ。音楽誌『bounce』『ramblin'』編集長を歴任し、フリーランスの音楽ライター、編集者として長らく活動している。2010年以降「食」や「酒」に関してもテリトリーを広げ、2018年から2024年まで『dancyu』編集部に在籍。数々の特集記事の企画編集や執筆を手掛けた。