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【気になる高血圧】①血圧ってそもそも何の数値?飲酒や塩分高めの食事はやっぱりよくない?高いとなぜ問題なのか?

【気になる高血圧】①血圧ってそもそも何の数値?飲酒や塩分高めの食事はやっぱりよくない?高いとなぜ問題なのか?

健診で「血圧が高い」といわれても、自覚症状がないからピンとこない、とはいえなんとなく不安はぬぐい去れない……。今回はそんな人のために、そもそも血圧ってなに? なにが原因で上がったり下がったりするの? などなど、知っているようで知らなかった血圧についてのあれこれを、食いしん坊倶楽部メンバーで医師の三浦雅臣さんにうかがいました。

「血圧」ってそもそも何ですか?

「血圧」とは、血液が血管の壁を押す力のこと。心臓(ポンプ)が全身に血液を送り出すときに、血管(ホース)内に生じる圧力を数値化したものです。一般的に、心臓がぎゅっと収縮して血液を送り出した瞬間の圧力=「上(収縮期血圧)」と、心臓が拡張して血液をため込んでいる間の圧力=「下(拡張期血圧)」の2つで表されます。
とはいえ、血圧は心臓の力だけで決まるわけではありません。大きくは「心拍出量」と「末梢血管抵抗」の2つで決まります。心拍出量は、心臓が1分間に送り出す血液量(1回の拍動で心臓から出てくる血液量×心拍数)です。末梢血管抵抗は血管のかたさや細さによって決まります。血管がかたくなったり、収縮して細くなると、血液は流れにくくなり、血圧は上昇します。血圧の数値は、[心拍出量×末梢血管抵抗]で算出されることになります。

1回の計測では本当の血圧はわからない

血圧の基準値は、以前解説した「受けっぱなしにしていない?健康診断②」でもお話ししましたが、収縮期血圧(上)が129mmHg以下、拡張期血圧(下)が79mmHg以下といわれています。みなさんの健診の結果はいかがでしょうか。
ただし、目標値は他の病気、例えば糖尿病のありなしや年齢など、人それぞれで違ってきます。また血圧は話をしている間にも変動しますし、ちょっと動いた後などでも変わってきます。ご存じの人もいらっしゃると思いますが、トイレでいきんだりすると、100くらいバーンと上がることもあるんです。病院で測るのと家庭で測るのでも差が出たりします。
つまり、血圧は一度測った数字がすべてではなく、日常的に測った数字の平均値で見るのが正解です。健診などで一度高い数字が出ただけでは、必ずしも高血圧症とは判断できません。上が180~200を超えたらそれは心配ですが……。
とはいえ高血圧が続いても、自覚症状はほぼありません。少しでも不安のある人は、ドラッグストアなどでも簡単な血圧計を手に入れることができますので、血圧を測ることを習慣づけてみてはいかがでしょうか。スマートウォッチでも血圧が測れるものがあります。
毎日朝起きてトイレを済ませた後、リラックスして椅子に座って数分経った安静時に測るのが正しい測り方です。

最悪の場合は失明も? 放っておけない理由

血圧の高い状態が続くと、血管に大きな負担がかかります。それが原因で動脈硬化が起こり、結果、心筋梗塞や脳梗塞、脳出血を引き起こすというのはご存じの方も多いと思います。
ただそれだけではありません。高血圧は心臓にも負担がかかるうえ、血管は全身にありますから、脳や腎臓の病気にもつながります。目の病気になって、少しずつ視力が失われるということもあります。高齢の方に多いのですが、高血圧が続いて腸に血液が充分に届かなくなり、腹痛を起こしたり、血便が出るというケースもあります。高血圧は自覚症状がないので軽視してしまいがちですが、早めにしっかり向き合うことをおすすめします。

やっぱり塩分? 血圧を上げる原因はなにか

トレーニングマシンを使う男性

高血圧の原因は、肥満、ストレス、睡眠不足、運動不足、塩分のとり過ぎ、アルコールの飲み過ぎ、喫煙、季節や寒暖差など、さまざまな生活習慣や環境が関わります。遺伝による部分も多くあります。
よく知られているのは塩分のとり過ぎです。塩分を過剰に取り入れて血液中のナトリウム量が増えると、体は濃度を一定に保つために、血液中の水分量を増やそうとします。そうすると血液の量が増えて、血管への圧力が高まってしまうというわけです。
さらに腎臓のほうでも塩分濃度を感知して、ホルモンの働きを介して血圧を上昇させる仕組みが働きます。
肥満も脂肪組織から分泌されるホルモンが増えて交感神経が刺激されるため、心拍数が増えたり、血管が収縮したりして、血圧を上げます。ストレスやお酒の飲み過ぎ、睡眠不足なども同様に交感神経が優位になりますので、血圧は上昇します。飲酒は塩分の高いおつまみをとり過ぎることにも直結します。運動不足は肥満を招く一方で、適度な運動は血圧を抑えるさまざまな効果があります。

具体的な対策については次回お話ししますが、こうした生活習慣を変えていくことで、血圧は確実に下げることができます。また血圧は正しく対処すれば数日〜数週間で結果が現れます。高血圧を指摘されたことをきっかけに生活習慣を見直したところ、すぐに数字に表れて健康づくりのやる気につながったとお話しされていた患者さんも多くいらっしゃいます。

次回は血圧を下げるために生活習慣を変える具体的なヒントについてお話しできればと思います。

教える人

三浦 雅臣先生

三浦 雅臣先生

ジョスリン糖尿病センター リサーチフェロー。2014年東京大学医学部医学科卒業。2021年東京大学大学院医学系研究科博士課程修了・卒業、2023年東京大学医学部附属病院 糖尿病・代謝内科 助教。糖尿病や肥満症を専門に、最近では老化や睡眠、味覚についても探究を深める日々。

編集:出口雅美(maegamiroom) 文:久保木 薫 写真:Shutterstock

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